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2013年05月25日
2013年5月開催結果
2013年5月例会は永冨明郎氏から「吉田松陰」をご発表いただきました。
長州藩士、思想家、教育者、兵学者、地域研究家、明治維新の精神的指導者・理論者として知られている吉田松陰の実像というテーマは重要ですので、5月は前半という位置づけでお願いし、6月に後半をご発表いただくことにいたしました。
なお、永冨氏は吉田松陰について以下の著書二冊を出版されておられます。
『武蔵野留魂記=吉田松陰を紀行する』(平成21年)
『遥かなり三宅島=吉田松陰「留魂録」外伝』(平成23年)
5月のご発表は、まず、吉田松陰を論ずるにあたっては、「幕末という時代」について、もう一度整理し分析する必要があるとの見解から、以下の二項目について、一般的に理解されている常識的見解とは異なる指摘を展開されました。
1)徳川幕藩体制の限界
内政面 外交面
コメ本位制の限界 鎖国制度の限界
幕・藩・家・財政破綻 国家存亡の危機感
「改革」=下層の発言力アップ 通商開設によるインフレ拡大
→ 現体制への不満・危機感 ←
2)明治維新はイデオロギーで考えると混乱する
・「尊皇攘夷論」は当時の文化人共通の「常識」
・幕藩体制への危機感 → 幕府に代わる政権・政体の樹立志向
・不満・危機感の藩ごとの温度差 → 戊辰戦争
・明治になって「尊皇政権」の脚色(勝者の歴史観)
この永冨氏の見解について、活発なディスカッションがなされ、充実した例会でした。引き続いて6月も「吉田松陰」という人物の本質についてご発表されます。永冨氏の鋭い指摘に期待し、皆さんとディスカッションしたいと思います。
投稿者 Master : 2013年05月25日 11:21