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2011年06月27日

2011年6月例会開催結果

2011年6月例会開催結果

①まず、水野靖夫氏のご発表は「戦後の漢字制限政策」でした。
   戦前からの漢字制限の経緯と、戦後GHQから漢字廃止の見解が出され、そのGHQの考え方は
   ●戦争に敗れたのは文化レベルが劣っているから。
   ●日本の伝統・文化や実情無視。欧米人の考え方の押しつけ。
   ●漢字を覚えることは、生徒に過重な負担。他の数学・自然科学・人間社会などを学ぶ時間がなく    なる。
 等から漢字は完全に廃止されるべきだとの、強硬な主張がなされたのです。

また、その結論に導くために、驚くべき事に無作為に選ばれた15歳から64歳までの1.8万人に対し「日本人の読み書き能力調査」という漢字テストが昭和23年8月に行われました。

結果は平均点が78点という高得点のため、GHQは主張を取り下げたのですが、漢字廃止に迎合した日本人もいたという事実に再び驚きました。

漢字制限の経緯を知る事は、日本国の基本であるべき言葉と漢字の重要さを確認することであり、また、漢字を捨ててもよいという日本人がいたという驚愕の歴史事実確認でもあります。
水野氏のお話を伺って、更に、鉄舟の生き方を通じて日本精神を多くの人に伝えなければという想いを強くもちました。

毎日読み書きしている漢字について、知らないことが多くあるという事実をご教示頂いた、漢字博士の水野氏に深く感謝申し上げます。

② 山本紀久雄からは、武士道を知らない日本人が多い事実と、反対に外国人は映画「ラスト・サムライ」から武士道をある程度知っている事実、それをアメリカ・サンフランシスコとブラジル・サンパウロでディスカッションしてきた結果からお伝えしました。

日本人が武士道を理解し得ない背景には、江戸時代の文字を読めないという実態に陥っている事が関連している、つまり、江戸期の優れた精神文化体系中心ともいえる武士道資料が、翻訳でしか読めないという事が影響しているのではないか、という考察を行いましたが、これについては今後とも研究して参ります。

投稿者 Master : 2011年06月27日 09:50

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