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2010年03月31日

山本兼一氏講演会の感想

去る3月10日〜22日、静岡県静岡市で開催されました『山岡鉄舟と明治の群像展』のイベントとして行われました、直木賞作家・山本兼一氏の講演会に参加された方から感想をいただきました。
以下ご紹介します。

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直木賞作家山本謙一氏の講演会

平成22年3月20日(土)、静岡県静岡市にあるコンベンションアーツセンター「グランシップ」において直木賞作家で今回山岡鉄舟の小説「命もいらず 名もいらず」を出版される山本謙一氏の講演会が催されました。
天候にも恵まれ、定員を超える入場者に立見の人の姿も見受けられる盛会ぶりでした。

山本さんは「利休にたずねよ」で第140回直木賞を受賞されました。受賞作の他にも、「火天の城」(第11回松本清張賞受賞)「千両花嫁」などの作品があります。

山岡鉄舟の研究家ではなく、いちファンとして、鉄舟の小説を書かれたそうです。
そもそも、鉄舟さんとの出会いは20年程前、神田の古本屋で「おれの師匠」ほか鉄舟さんの本と出合ったことから始まります。
ゆで卵100個のエピソードの、子供じみた意地っ張りで、どんなバカな事でも真剣にやるところに魅了されたそうです。

また、鉄舟さんの素晴らしい点は、素直で負けん気が強い素質に、自分に恥じない拘りを持って、徹底的にやり遂げ、自分を磨き上げたところ、そして、一般的に武士が、最も大切にした名前を残す事、それすらも執着しなで、名も名誉も残さなくても、自分の心に恥じなければ良い、人の評価はどうでもよい、という突き抜けたところにあるとおっしゃいます。

また、山本さんは、近代文学は心の戸惑いや、葛藤、人の弱さを書いているが、歴史小説はその対極にあり、主人公を通して、人の強さや、生き方を自分の見本として、考えることができるので、沢山読んで欲しいとおっしゃいます。
鉄舟さんについても、小野家の相続などを、こういう人であって欲しいという小説的真実と、自分の為になることを行うのは、人の為にもなるという事をテーマに書かれたそうです。
既刊の小説よりも,もっと素敵な鉄舟さんに出会える事を楽しみにしております。

投稿者 lefthand : 2010年03月31日 11:32

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