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2009年09月20日

2009年9月例会ご報告 その1

山岡鉄舟研究会 例会報告 その1
2009年9月16日(水)
「おもしろ漢字講座」
水野靖夫氏

9月の例会が行われましたのでご報告します。
今回は、メンバーの水野靖夫氏に、「おもしろ漢字講座」と題し、漢字の成り立ちについてご発表いただきました。

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日本語は、漢字から成り立っています。
私たちが現在使う、ひらがなやカタカナも漢字を起源としています。
その漢字の成り立ちについて、いろいろ教えていただきました。

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水野靖夫氏(左)/発表風景

例えば、「羊羹(ようかん)」という漢字があります。
難しい字です。読めるけど書けない漢字の代表といえるでしょう。
これを、漢字の成り立ちから理解していくと、書けるようになるかもしれませんね。
羊羹というのは、現代の私たちは和菓子を思い浮かべますが、もともとの意味は「ひつじのスープ」という意味で、モンゴル地方を語源とすることばなのだそうです。
羊羹の「羊」は文字通りひつじですが、「羹」を分解してみると、「羔」と「美」に分けることができます。
この「羔」はこひつじの意で、「美」はおおきなひつじの意味になるそうです。その昔、モンゴルでは宗教的儀式の際、ひつじを生け贄に捧げていたそうです。そのとき、やせ細った老羊では神様のお怒りに触れるでしょうから、まるまる太った若い羊を生け贄に差し出しました。ですから、「羊」に「大」と書くと、「美」=うつくしいという意味になったのだそうです。そして、ちいさなひつじもおおきなひつじもスープにして食べることから、「羊羹」という漢字は、大小さまざまな羊が集まってできているということになるのだそうです。なるほど。
ちなみに、漢字の一部に「羊」が使われている漢字は、「美」「善」など、よい意味に使われるものばかりなのだそうです。
私事で恐縮ですが、私の名前の一字「達」にも羊が入っています。発達するなど、よい意味に使われているというわけです。名前に縁起のいい字が入っていると、ちょっと嬉しくなりますね。

他にもいろいろな漢字の成り立ちや、漢字の部品からなるバリエーションを教えていただきました。
このようにして漢字を覚えると、とても覚えやすいのではないかと思いました。
そして、このような指導の仕方が、今日の学校教育に必要なのではないか、水野氏はそう語りました。まさにその通りと思います。学校で習う漢字は、画数などによる難易度で習う学年が決まっているのだそうです。そして、何より問題は、漢字の成り立ちを教えず、丸暗記させていることです。しかし、水野氏から教えていただいたように、漢字の成り立ちから理解していくと、少々難しい漢字でも、成り立ちが同じ漢字はいっぺんに覚えられるような気がしますが、いかがでしょうかね。

漢字は、一文字でいろいろな意味や読みを表現できる世界でもユニークな文字だと思います。漢字のおかげで、日本語はとても豊かな文章表現ができるのではないでしょうか。日本人に生まれてよかったなぁと感じた、水野氏のお話でした。
水野靖夫さん、ありがとうございました。

(事務局 田中達也・記)

投稿者 lefthand : 2009年09月20日 15:18

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