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2008年10月12日

ロンドンで鉄舟に出会う

ロンドンで鉄舟に出会う
山岡鉄舟研究家 山本紀久雄

今年は、安政五年(1858)に徳川幕府と米英仏蘭露の五カ国が修好通商条約を結んで150年に当たる。
それを記念して各国で様々なイベントが開催され、そのひとつとしてロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)で「山岡鉄舟書展」が開催されているが、こちらは鉄舟没後120年も併せてであり、期間は九月三日から十二月十四日まで。鉄舟も国際的に認識されつつある。




9月27日土曜日にV&Aを訪ねてみた。
同館はロンドンのサウスケンジントン駅から歩いて10分。
世界中から蒐集された膨大なコレクションが所蔵展示されている。


 正面玄関を入り、ホールを右手に行くとJAPN展示室があり、そこを入って右側壁面全部に鉄舟書が展示されている。真ん中あたりに展示されている「龍虎」大書が眼に飛び込んでくる。鉄舟の書はロンドンでも異彩を放つ迫力である。

 鉄舟のほかに海舟と泥舟の書もあり、最後に故寺山旦中先生の書も展示されていることから分かるように、二松学舎大学教授であられた寺山先生所蔵書によっての開催である。

 寺山先生は筆禅道、これは筆で禅を行ずる意味であるが、その由来は鉄舟が大悟され「余、剣・禅の二道に感ずる処ありしより、諸法皆揆一なるを以て書も亦其の筆意を変ずるに至れり」と覚他されたこと、つまり、剣と禅で自覚するところがあったら、書の筆勢が変わったということであるが、この後継者が寺山先生で、二〇〇一年にもV&Aで寺山先生所蔵の書展を開催していたことから、今回も展示されたのである。

それにしても鉄舟の書をロンドンでも著名な博物館で堪能した楽しいひと時であった。

投稿者 Master : 2008年10月12日 13:43

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