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2007年12月16日

11月例会記録(1) 2/2

◆中瀬勝義氏
「エコライフから海洋観光立国」 2/2


4.自転車エコライフ
 ・ 製造するのに自動車に比較し材料資源は1/100~1/50と少ない。
自転車は、車1台つくる資源で自転車が50~100台作れる。
 ・運転するのにガソリン・石油が必要ない。大気汚染・騒音を出さない。
 ・身体の健康に大変良い。特に精神病になり難くなる。本能を磨ける。
 ・自動車活用に比較し、年間で100万円も節約できる。

自転車で一番良いと思うのは、ノイローゼにはなれないところ。今の子ども達はファミコンばかりで本能を磨いてない。自転車は右に曲がるときに当たり前に自分の直観力・本能で行っている。子ども達が切れないためには自分の本能を磨くことだと考えていまして、身近で一番は自転車だと考えています。
経済的には、1年間100万円くらい得することになる。15年くらい前、バブルのときに駐車場が2万から5万になるといわれて、一年間60万円は仲間とお酒飲んだほうが良いとやめました。
上智大学も自転車で1時間くらいかけて通っていた。
 
 ・日本は世界で唯一歩道を走れる国。このため子供老人に危険感を引き起こしている。

世界にないルールを日本はたくさん考え出す。

 ・駅前などの違法駐輪が大問題になっている。

自転車は人権がない。利権が取れないから政治家も興味がない。
つい最近フランスでレンタル自転車が出来た。2万5000台くらいを、パリ市内駐輪場1500箇所に配置し、一箇所18台をコンピュータ管理している。駐輪場から駐輪場まで300メートルくらいで、パリ中を走れる。現在建設中で今年中にはできるようです。パリは自慢しています。しかし、交通の手段として利用しているのは日本が圧倒的にすごい。ヨーロッパでは自転車を交通の手段にしている率は1%位で、自転車はスポーツとして使われている。日本はママチャリで子どもを幼稚園に送り迎えするだけで十何パーセント。自転車の交通利用率は世界の中で日本がトップということを知って、逆にビックリしている。

5.屋上菜園エコライフ
 ・自宅の生ゴミの活用方法として屋上やベランダでの野菜栽培が望ましい。
 ・生ゴミはゴミ処理機(電気式、生物式)で全て土や肥料に出来る。
 ・ゴミ処理のための運搬費と自動車公害がなくなる。
 ・生ゴミはゴミの3割以上で、自治体の財政削減対策に効果がある。
 ・雨水利用をすると水問題にも効果的。
 ・自動車を止めて、家庭菜園にすると環境問題と食料自給率に貢献できる。

私の家からは生ごみは一切出していません。5年以上になります。自治体のごみの3、4割は生ごみで、これを運搬するのにお金がかかり、処理費用の7割は自動車に掛かっている。ごみをこちらからこちらに移動するのにお金がかかる。自宅から生ごみを出さなくなれば、清掃車、大気汚染も3、4割削減できるので、自分なりに実践している。雨水も全部利用している。夏の7・8月は水道水ですが、あとは雨水だけです。家庭菜園で環境問題の半分は片付く。地球の温暖化にも最適です。
もったいない学会があって、スバル、東京電力、トヨタの方がお話しされて、学会のトップは東京大学の工学部の教授を25年間務め最後に国立環境研究所のトップになった方です。その方が、石油があと40年でなくなるからこれからは原発で電気を充電して、電気自動車だと言っていました。頭に来て、自動車をやめて自転車にすべき等といろいろ言ったら追放されそうでした。

6. 海洋観光立国のすすめ
 ・国民の食料の60%は、世界からの輸入に依存している。
 ・金属をはじめ木材やエネルギーなど資源の40%を海外に依存している。
 ・世界の資源埋蔵量は大変少なく、今後は世界的な資源の奪い合いが始まる。
 ・中国やインドや南アメリカの工業化が進み、日本の資源購入が難しくなる。
 ・この危機からの脱出は、持続可能社会・エコライフがキーワード。
 ・自給自足国家は、日本が江戸時代に世界に先駆けて完成した循環型経済。
 ・かつての大国は、今や観光立国となっている。イタリア、スペイン、イギリス・・
 ・21世紀は「平和の世紀」、「観光の世紀」で、観光客は急増する。
 ・フランスへの海外からの観光客は年間7000万人、日本の600万人の10倍。
 ・世界の著名リゾートは水辺に多い。
 ・日本の国土は領海を入れるとロシアや中国より大きな、世界6番目の大国である。
 ・今こそ、食糧自給の“海洋観光立国”を目指そう!
 ・バスコ・ダ・ガマ体験旅行や、マリンスポーツを楽しもう!
 ・人口減少はチャンス、観光には定年がない。
 ・国民の日常生活こそが観光資源。
 ・持続可能社会、平和な、こころ美しい日本再生!!
 こんなことを夢見ていますが、一歩一歩地道に地元で活動して行けたらと考えています。

従来、日本が経済力に任せて世界の資源の15%も買っていたが、もう買えない。今は中国、インド、南米の経済力が発展していますから昔のようにはならない。欧米と日本の5億人が自動車を乗っている時代は何とかなったけれど、世界の60億の人が平等に自動車に乗ろうと考えたら日本国内では作れない。
中国の杭州に山手線内と同じくらいの面積の自動車タウンが出来ています。
トヨタ、日産、本田と韓国の会社で支えていまして、工業高校生を1万5000人も育てています。自動車製造のトップは、GMからトヨタに変わるのに100年掛かったけれど、トヨタから中国の会社に変わるのに10年掛からないだろうと勝手に考えています。
資源のない国で持続可能な社会をどうやって作り出すのか考えて、海洋観光立国を考えました。世界ではイタリア、スペイン、北欧などは観光立国みたいなもので、フランスは年間に外国人が7000万人、日本は600万人しか来ていない。中国・インドから1億人がバカンスで日本に来てもらう。10年くらいで日本の高速は自動車が減るので、自転車専用道路に変えてもらって、一ヶ月自転車で遊んでもらって、毎晩温泉入って、お寺を見て、美しい山をみて、時々ヨット乗って太平洋に行ってもらって、というようなことを考えています。
陸上だけでいうと日本は世界で60番目の国ですが、200海里までいれると世界で6番目、ロシアより中国より大きい国です。ここで遊んで貰えば日本人全員が観光業になれると考えています。そのためにはどうしたら良いかライフワークとして勉強していきたい。

参考に世界経済についての感想です。日本の国民と企業の貯金は1500兆円ですが、政府と自治体の借金が1500兆円を超えているといわれています。最近は、お金をかけて大工事をして、立派な駅に変えていますが、この原資は特別会計です。国家予算一般会計が80兆円ですが、特別会計が3倍近い200兆円。政府というか官庁が事業をやって、GNPが400兆というそんな国家財政でやっています。アメリカの国家予算に匹敵するくらいの額を日本でも使っている。特別会計200兆円は全く国会を通らなくてもいいお金なので、こういうものを使って、道路も68兆円かけて作ろうとしている。
アメリカの中東戦争費用は、1年間で50兆円と言われていますが、そのうち日本が40兆円支えている。どういうことかというと、アメリカの国債の高金利でしか、貯金、証券投資、年金、生命保険などがファイナンスできない。全国測量厚生年金基金の決算報告を見たら、年間4%くらいで回している。日本国内では回せない。アメリカの国債を買うような投資しかできない。そういう経済で日本は成り立っています。
ロシア・中国の外貨準備は、アメリカの国家予算に匹敵するくらい。アメリカの経済はロシアと中国が支えているというくらいのコメントもあります。
アメリカが消費して、それをみんなの国が製品を作って経済が成り立っている。アメリカは消費が自国だけでは足りないので、外国に行って沢山戦争やって壊して、消費を作り上げている感がある。世界の60億の人の本当の実質的な経済、消費によって成り立つ経済を作っていかないと思っています。それでなくては全くバーチャルな経済をこれからもやりつづけるのではないかと思います。


【事務局の感想】
中瀬さんは、お勤めを早期に退職され、「エコライフコンサルタント」として、日本を自給型の持続可能な社会と海洋観光立国にすることを提唱され、精力的な活動を続けておられます。日本という国のグランドデザインを描かれ、それにむかって無私の行動を実際に行っておられることは、鉄舟が示してくれた戦略
的行動に通じるものがあるのではと、感じ入りながらお話を伺いました。
今後のご活躍を期待いたします。

以上

投稿者 staff : 2007年12月16日 11:12

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