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2007年09月28日

9月例会記録(2) 1/2

■山本紀久雄氏

「鉄舟の貧乏その一」

田中さんの解説よかったですね。同じ日本人なのに100年以前の文字が読めない。これほど残念なことはない。教育の結果なんですけれど。事実をつかむことの難しさですね。日本語が読めない、調査ができない。また発表をお願いしたいと思います。
今の世の中は混乱しており、生き方が解らないという人が多い。浅草の浅草寺から、生き方がぶれなかった人、鉄舟の生き方について話してほしいと依頼きました。鉄舟は貧乏でも生き方を変えないで、最終的に素晴らしいと評価を得た。

17日の敬老の日に映画「HERO」を観ました。驚いたことがいくつかありました。まず映画館は満員でした。満員ですが立ち見はありません。今は事前に席を予約して、ネット決済でき、席もファーストクラスみたいに広くて館内は感じが良い。映画館内には親子連れが多い。お父さん・お母さんが、小学生の低学年の子供と一緒に観に来る。この年齢で「HERO」を観てわかるのか?騒ぐんじゃないかと思ったら静かに見ている。観終わったあと「よかった!」という。

「HERO」は裁判の話です。木村拓哉が検事、書記官が松たか子で、殺人事件の自供した男が法廷で私は自供したことをやっていないと覆す。弁護人(松本幸四郎)は、状況証拠を、検事の方で殺人をしたことを説明しろ!と言う。木村拓哉は自分が調べたわけではなく、先輩が調べたものを引き受けたものですが、素直に調べます。徹底的に調べたら、結果的に自供した内容が正しくて、政界の黒幕まで出て来て、最終的には検事が勝つんですね。木村拓哉がやっていることは、かっこいいことではない。あきらめないで、殺人犯が殺人したことを証明するためにひとつひとつ調べて調べて調べ抜いていく。
消防署は、火事を観に来る人を火事場には放火魔がいるはずだということで、写真撮影する。映画でも放火犯の中に殺人犯がいるんじゃないかと、853枚の写真をみて、犯人がいないかどうか写真一枚一枚調べる。
根性が大事、それが『HERO』=英雄、ということをこの映画は示している。

「オーシャンズ13」アメリカの人気映画。フランクシナトラの「オーシャンと11人の仲間」のリメーク版の三作目。バックは全部日本です。カジノのオープンに土俵を作って相撲する、太鼓を打つ、乾杯は日本酒・久保田、何か飲みますか?と問えば「煎茶か緑茶」と日本語で言う。
映画は注意してみていないといけない。「おもしろかった」で終わりにしてはダメ。私は研究家ですから、背景を見る。要するに映画の中には今の時代を反映しており、観客が沢山来ているということは、観客はその映画の中味を観に来ている。時代です。「HERO」が人気があるということは、時代は根性ある人を持ちたい、なりたいと考えている人がいると思います。

調べるといえば、マイケル・ムーア監督はアメリカの医療制度を調査した映画「シッコ」を作りました。アメリカ人は歯が痛くても歯医者に行かない。なぜなら保険がないから、費用が莫大になる。
日本は3割負担で済む。アメリカは世界の超大国なのに行かない。隣のキューバは医療費が無料。アメリカ人の歯が痛い人、お腹が痛い人が、キューバに行って無料で診てもらっている。アメリカはカストロに反対して、キューバを経済封鎖したんですよ。それなのに、アメリカ人はキューバに行って治療してもらっている。キューバは谷亮子選手と決勝戦を争ったくらい柔道も強い、陸上も強い。食料自給率は100%近い。経済封鎖されたことをキッカケにして、いまや素晴らしい国に変身した。これは、ムーア監督が調べた結果わかったことです。

私も調査のために毎月世界中を周っており、先月はインドのムンバイに11日間行きました。インドで生き方を学びました。インドにはヒンズー教徒、仏教徒もいる。仏教徒の家に連れていってもらいました。仏壇には「南妙法蓮華経」とある。日蓮ほど素晴らしい生き方を教えてくれた人はいない。その人はヒンズー教ですが、日蓮の教えを宗教ではなく、哲学として受け取っている。日蓮は、すべての世の中の起きる原因は私の中にあると教えてくれた、と哲学として解釈している。すべての原因は我あり。そういう生き方を観につけたら素晴らしい。悩みがなくなる。

安倍首相は、そう思っていますかね。戦後はじめて53歳の人が首相になったんですね。70%の支持率で颯爽とスタートしたが、日々下がり、耐えられなくなり辞任しました。民主の前原さんも偽メール事件で辞めましたね。若いものは頼りにならないと71歳の福田さんが出てきた。若い人が福田さんはしっかりしたこというなぁと話を聞く。
安倍さんは自分がわかっていなかった。頭が良くて2枚くらいの紙なら暗記するし、読書量も政界一らしい。それなのになぜこうなったかというと体が弱い。1年前の新聞記事を読んだら、好きな食べ物は焼肉、ラーメン、スイカ、嫌いな食べ物は、生カキとある。生カキが嫌いな人は食べてお腹を壊したことがあるからです。新鮮ではないカキを食べたか、よく噛まずに食べたか、です。ちなみにビールと生カキはあいません。白ワインが合います。お腹が弱い人はよく噛んでもお腹を壊す。胃が弱いということです。
首相が激務であることが次第にわかってきた。能力ではない、適職を探さないとならない。情勢判断学会というのがあり、そこで戦略を作る。戦略はロマンだと計算しないで大きいものを作ると言っても2、3日で辞めてしまう。高い望みを持ってもいいですが、自分の立場を分析して、10ヵ年計画、3ヵ年計画、詳細な直近3ヶ月の計画を作りこむとわかります。そのためには自分自身を知らないといけない。調べるということです。「HERO」の木村拓哉はそれを教えてくれる。安倍さんは、それをしなかった。体が弱いことぐらいわかっていたはず。

凧は形状が斜めになっていて、紐でひっぱると上に上がる。上昇しようと思ったら斜めになるのは飛行機も同じです。物事を受けるときに正面から受けるのは一番よくない、まじめすぎはだめ、ほどほどということもある。
安倍さんは全国遊説してどこに行っても同じことを言っている。安倍さんは成蹊大学出身で、成蹊大学は吉祥寺からバスです。安倍さんは吉祥寺で保坂さんの選挙応援に行った、安倍さんは学生時代の吉祥寺の思い出を語るのかと思いきや、一切しないで他と同じことをしゃべっている。結果保坂さん落選です。要するに弾力性、その場対応で判断して行動しなければならない。
鉄舟は駿府に行くとき、慶喜から、勝海舟から、どういう風に行くのかと尋ねられた。船で行く、歩いていく、そういうのは計画です。鉄舟は「臨機応変わが胸にあり」と応えた。出たとこ勝負、その奥に自信がある。
人間は計画通りに行かない。そのときの風・民意と合っていなかった。合っていないことをやると体に障害が出る。時代の流れをつかんでいくことが必要だと思います。

※9月例会記録(2) 2/2に続く

投稿者 staff : 2007年09月28日 15:55

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