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2013年02月26日
2013年2月開催結果
2013年2月開催結果
木下雄次郎氏からご発表いただき、新鮮な驚きの時間を過ごしました。
まずは、次の鉄舟書による「漢詩屏風」写真をご覧ください。
屏風には、韋應物(735?-790?) の五言詩「擬古詩十二首」の(一)と(九)が書されています。
(一)辭君遠行邁,飲此長恨端。已謂道里遠,如何中險艱。
流水赴大壑,孤雲還暮山。無情尚有歸,行子何獨難。
驅車背鄉園,朔風卷行迹。嚴冬霜斷肌,日入不遑息。
憂歡容髮變,寒暑人事易。中心君詎知,冰玉徒貞白。
(九)春至林木變,洞房夕含清。單居誰能裁,好鳥對我鳴。
良人久燕趙,新愛移平生。別時雙鴛綺,留此千恨情。
碧草生舊迹,綠琴歇芳聲。思將魂夢歡,反側寐不成。
攬衣迷所次,起望空前庭。孤影中自惻,不知雙涕零。
韋應物とは中国、中唐の詩人。蘇州刺史となり善政を行なったので韋蘇州 と呼ばれる。五言詩を得意とし、その詩風は陶淵明に似る。王維・孟浩然・柳宗元と並び称された。(三省堂 大辞林)
以前から、木下氏が寝室に屏風を立て、その間で寝ていると、時に鉄舟からの信号が届くというお話はお伺いしていましたが、2月例会に自宅から実物をご持参賜り、会場に展示いただいたわけです。
この鉄舟書「漢詩屏風」一双は、全長8メートルに及ぶ壮大なものでして、実際に目の前で拝見し、その得も言われぬ見事さを鑑賞しつつ、木下氏の文字読み解き解説をお聞きしていると、これは大変な方だと、改めて感じ入った次第です。
今まで長いこと鉄舟研究しておりますので、多くの書家に会っていますが、ここまで鉄舟書について読み解け、その背景まで語られる人物には出会っておりません。
とにかくビックリで、さすがというのが、2月例会の報告であり感想です。
1月例会でも、木下氏には日清戦争と西南戦争のまき絵二巻、それぞれ全長10メートル以上もある貴重な古美術品をご持参賜り拝観しまししたが、又と無い素晴らしい機会を二カ月続けていただき、木下氏に深く感謝申し上げます。
投稿者 Master : 2013年02月26日 11:11