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2012年08月25日

2012年7月開催結果


2012年7月開催結果

Ⅰ.末松正二氏のご発表

7月例会は、最初に末松正二氏から
「明治38年(1905)ポーツマス条約(日ロ講和条約)の背景と意義、その後現代にまで与えた影響」
についてご発表いただきました。いつものように末松氏のご発表は、十分な調査に基づく貴重な内容で感服いたしましたが、特に印象に残った項目は次の三点でした。

①明治37年(1904)2月4日の御前会議で対露開戦が決定され、明治天皇の開戦反対、早期講和の意向を熟知している元老伊藤博文は、金子堅太郎を当日招き、渡米して、アメリカの世論工作と金子のハーバード大学の同窓生で親しいルーズベルトに秘密裏に講和斡旋を依頼して欲しいと命じた。明治38年(1905)6月1日時点で、日本は戦争継続限度と判断し、講和をルーズベルト大統領に申し入れ、同大統領は駐露大使ジョ―ジ・マイヤーにロシア皇帝への説得を伝え、6月9日に日露両国に対し、講和交渉開催を提案した事から調印に至ったが、このような高度な外交政策を展開した伊藤博文以下と、太平洋戦争当時の政治家を比較すると、残念ながらその差が歴然としている事を再確認できる。

②明治38年(1905)9月5日に講和条約調印となったが、講和内容に国民が激怒し、全国的な反対運動が盛り上がり、特に日比谷焼き討ち事件が有名で、戒厳令まで出された。このポーツマス講和条約は日本の国力からみて、絶好のタイミングで締結された大成功の条約締結でしたが、政府側は極めて大きな将来に禍根を残すミスを犯した。一つは、日露戦争は大勝利だったと国民を熱狂させたままで、実は戦争継続の余力が全く無くなっていることを説明しなかった事です。加えて日露戦史編纂で「軍の内情機密、勤務上機密、捕虜虐待、旅順の戦いの記載禁止など」で、正確な情報を伝える事をしなく、この当時から情報隠蔽が行われていた事がわかりました。

③日露戦争の戦費は外債発行と、ユダヤ系金融業者クーン・ロープ商会の支配人シフの「日本を好きで貸したのではない。同胞を苦しめるロシア帝政を懲らしめ、大変革を望むので日本に貸したのだ」という背景で調達できましたが、この件について友人のユダヤ系アメリカ人から、祖父母がロシアから逃れた経緯を聞いていましたので、末松氏のご発表に頷くところ大でした。
末松氏の鋭い的確なご発表に感謝いたします。

Ⅱ.矢澤昌敏氏のご発表   

矢澤氏から10月27日開催「鉄舟・泥舟・静山所縁のお江戸史跡巡り」ご案内をいただきました。今まで知らなかった史跡を含め、楽しみな内容になっております。これにつきましては以下の通りでございますので、ご出席をご予定される方はFAX連絡にてお願いいたします。


「鉄舟・泥舟・静山所縁のお江戸史跡巡り」

1.今回は、小野鉄太郎(後の山岡鉄舟)が、裕福なる
少年時代を過ごした飛騨高山から、一転 貧乏旗本と
して、約20年間(嘉永5年:1852年 ~ 明治5年:
1872年)江戸:小石川で暮らした所縁の地を訪ね、
当時の江戸の面影を探る機会になればと企画しました。
 その歴史的背景や混迷の時代を生きた幕末の鉄舟・
泥舟・静山、そして 清河八郎などを偲びたいと思いま
す。 見どころ多く、お楽しみになれます。

2 開 催 日    平成24年10月27日(土)13:30~16:30

3.集合場所    東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷駅」改札口 13:30
      
4.コ ― ス    今般、距離的には約4.5kmですが、坂の多い処だけ
          に足元の準備をしっかりとお願いします。

【播磨坂】 桜並木 ⇒ 【小石川鷹匠町】 高橋泥舟・
山岡鉄舟旧居跡 ⇒ 極楽水 ⇒ 宗慶寺 【吹上坂】
⇒ 【小石川金杉水道町】 小野鉄太郎旧居跡 ⇒ 
手塚良仙旧居跡 【三百坂】 ⇒ 浪士隊結成の地
「処静院の跡」 ⇒ 傳通院(処静院跡の石柱、清河
八郎の墓:貞女阿蓮の墓、祥道琳瑞和上の墓など) ⇒
【善光寺坂】 幸田露伴宅跡・沢蔵司稲荷 ⇒ 
【白山通り~蓮華寺坂】 ⇒ 【小石川指ヶ谷町】
蓮華寺(山岡鉄舟建立山岡家累代の墓:静山)
:此処で、一応 解散しますが、最寄りの駅は都営
三田線「白山」駅(A1出口)まで約3分です。

*** 皆様、お疲れ様でした ***

♠ ♠ ♠ 此処からは、希望者のみでの懇親会 ♠ ♠ ♠

5.懇 親 会     17:00開催予定で約2時間、会場は都営三田線:
             白山駅近くの「居酒屋」を予定しています。
            会費的には、4,000円程度
            会場の場所などは、後日 決定次第 ご案内を申し
            上げます。

6.お申込み・お問合せ
         下記の参加申込書にご記入の上、FAXにて送信し
てください。
担当:矢澤昌敏  TEL:090-6021-1519
E-mail:info@tessyuu.jp

                                    
参加申込書      
鉄舟・泥舟・静山所縁のお江戸史跡巡り(平成24年10月27日開催)に出席します
お  名  前
緊急のご連絡先(携帯電話など)
懇親会へのご参加 参加します    参加しません
申込締切:10月18日(木) FAX送信先:0480-58-5732(矢澤)


Ⅲ.山本紀久雄の発表

明治天皇の心の深化に鉄舟が如何に影響を与えたのかについて、以下のご項目について、系図・図を使用してご説明しました。

①悠(ひさ)仁(ひと)親王はご誕生時において皇位継承第三位となられている

②天皇家系図を説明し、万世一系を守るための孝明天皇の祖父である光格天皇即位の状況

③明治天皇は祐宮(さちのみや)としてご誕生、睦(むつ)仁(ひと)親王になられたのは九歳

④明治天皇は子供に不運だった

⑤維新の三傑の相次ぐ死も明治天皇に大きな打撃を与え、いよいよ鉄舟の精神家として力量が明治天皇に影響していくタイミングになった
木戸孝允・・・明治十年1887年五月病没
西郷隆盛・・・明治十年九月西南戦争で戦死
大久保利通・・明治十一年五月暗殺死

投稿者 Master : 2012年08月25日 05:53

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