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2008年03月20日
3月例会の感想
桜の蕾ふくらむ初春の第3水曜日、鉄舟サロン例会が行われました。
その様子をご報告いたします。
今月の発表者は、今井裕幸氏です。
今井氏は、「大森曹玄老師の思い出」と題し、大森曹玄氏がご指導をされておられた高歩院「鉄舟会」での参禅の様子や、そのときの「禅」の心得などを解説されました。
「碎啄同時」
ここ数週間の間に、私はまったく異なる2箇所の情報源からこのことばを手に入れました。
ひとつは、作家・夏樹静子さんの著書『椅子がこわい』(新潮文庫)で、もうひとつは今回の今井氏の発表からです。
事をなすには最適のタイミングがあり、それが合致したそのときこそ最大の効果を持って物事が成されるのであり、そのときこそ大いなる悟りが得られるということなのです。
現在編集作業を進めております『鉄舟研究録・巻之二』で展開されている、鉄舟の江戸無血開城の功績は、まさにこの「啐啄同時」の歴史的瞬間であったと感じられます。
鉄舟・海舟・西郷、そして益満休之助や望嶽亭の松永氏…。彼らの絶妙なマッチングは、寸分の狂いがあっても成立し得なかった奇跡の出来事でありました。
「啐啄同時」のタイミングを掴むこと、それは「時流」を掴むことではないでしょうか。
大変示唆に富んだお話をいただくことができた、今井氏のお話でした。
続いては、山本紀久雄氏の鉄舟研究です。
今回は、清河八郎の人物像について迫るお話でした。
一般に清河八郎のイメージは芳しくないものが多いです。
「山師」「策士」「出世主義者」…。
これらの雑音にとらわれず彼の足跡を辿ったとき、彼の人物像が浮かび上がってくるのではないか、なにゆえ、彼と鉄舟は「同志」の契りを交わす仲となったのか。
今回は、彼が倒幕の志を立てるまでの、生い立ちから青年時代の足跡を追いました。
清河八郎は大変優秀で、周囲の聞こえ宜しい人物であったようです。
このことと、その後の評価には著しいズレがあります。
なぜか。
次回をお楽しみに。
(田中達也・記)
投稿者 lefthand : 2008年03月20日 08:39