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2007年12月16日

11月例会記録(2) 1/2

■山本紀久雄氏

「貧乏生活も戦略的行動の一貫」 1/2

中瀬さんからお話を聞きまして、楽しい人生ですね。好きなことをしようとしている。好きだから継続できる。継続できるから、上達する。その見本ですね。自分を訪ねる、自分の中味を深めるための一直線の行動です。
鉄舟もそうですね。鉄舟は最終的に世の中のために役立ちましたが、役立つために小さいときから一本道を歩いている。


途中で凄く貧乏しているんですね。貧乏で養育費、食費がなければ、ほとんどの人なら収入を補うためにアルバイトをするが鉄舟は一切しなかった。それが魅力的であり、その貧乏話しを面白おかしく書く人もいる。鉄舟はなぜ貧乏をし続けたかを解明したいと思っている。今日はその触りの部分をお話したい。

来週パリの水道局に行きます。東京、NY、パリ3都市の水道を調べて研究をしております。先ほど通訳の方と打ち合わせしました。
彼女は日本を行き来しており、フランスは日本と比較して認知症の人が少ないと言っています。フランスで言われているのは、パリの水道水にはカルシウム分が多いからで、そう言っている学者もいるそうです。

来年2008年は日仏交流150周年記念です。文化交流150年祭が盛大に開かれます。上米良さんからご紹介受けた明治神宮の稲葉館長もパリで演武を行います。通訳の彼女は、外務省や文化庁との間でコーディネイトする仕事もやっています。彼女が担当したのは、鹿沼のさつきを船でパリ持っていくことだが、赤道直下を通ると花が咲いてしまう。何ヶ月か前に計算して5月に一番花が咲くように持っていくそうです。そういう話を彼女から聞きました。

ミシュランガイドが発売になりましたね。東京が世界で一番星付きレストランが多く7箇所3つ星になりました。寿司が2箇所、日本料理2箇所、フランス料理3箇所あります。
その中に銀座のロオジエがあります。30年ほど前、資生堂の企画部に居たときに資生堂100周年事業として何かしようとなりました。そこで資生堂パーラーの中にフランスに負けないフランス料理の店を作り見事に成功しました。資生堂は文化事業をしようとしたときレストランを作った。食は文化です。30年経って文化企業として認められました。

ミシュランの星7つの店の中で日本食が5つ入っている。日本食がこれだけ3つ星を取ったということは世界で日本食は主流ということです。
先月ブラジルに行きました。ブラジルから日本まで飛行機で24時間掛かります。ブラジルを発つ際に空港で食事しようとすると空港内に寿司バーがありました。空港でロビーにいると、以前はメインロビーにはイタリアンが多かったが今は日本食です。空港のメインレストランが日本食であるということから日本食が世界を制しているということがわかります。

ブラジルの空港で飛行機が出発するまで6時間待ちました。ろくな説明もない。日本だと怒り狂って乗客が押し寄せるでしょう。100何人乗るのに3人くらいしか押し寄せない。その3人は病院に手術の器具を持っていくからです。ブラジル国民は大人しいと判断しました。ブラジルはアマゾンのイメージがないですか。アマゾンはありますがブラジルは大都市です。ブラジル人が大人しいのは国民性だという人もいるかもしれませんが、その国民性も何かがあってそうなったわけです。日本人も日本人の国民性があります。日本人はどう見られているでしょうか。

今日また株価が下がった。さんざんですね。1万5000円切るくらいです。株が上がって1万8000円行ったのは小泉さんが首相のときですね。安倍さんが選挙して負けて、サブプライム問題も重なって株価は下がっています。
日本の株を買うのは日本人が3割~4割、残り6割は外国人投資家が買っています。外国人が日本人を見て信用が置けるなら株を買います。株価が下がっているということは、今は売られているということです。外国人投資家は日本人を、日本人の国民性を見ています。
ブラジルで6時間静かに飛行機を待つブラジル人をみて、ブラジル人は大人しい、と見たのと同じように、外国人は日本人を見て株を売り買いしています。6割の外国人投資家が株を買わないと日本の株価は上がりません。外国と絡まないとならない。中瀬さんもおっしゃっておりましたが、日本に観光客が来ないとならない。そのためには日本のイメージが大事です。そのイメージは誰が作っているか、私を含めて国民がイメージを作っています。

小泉さんが首相のとき郵政民営化を掲げ、郵便局は民営化されました。東京駅前に東京の本局郵便局がありますよね。周りは高層ビル化されましたが、あの場所は低層です。ドイツの郵便局は建物を建て替えテナント貸しをしている。民営化はそういうことです。小泉さんはそれをしようとした。それを見て外国人が、日本は改革して変わると株を買いました。

参議院議員の選挙で、安倍さんは戦後レジームからの脱却だと言いました。そんなことより年金の問題だと、5000万件のデータが紛失し国民は怒り狂った。それはそれで宜しい。

ここからは私の意見です。外国人がこの日本人の行動をどう見ているか。日本人は一人一人の年金に一番関心がある、これからもらう金額、月2~3万円の変化に対して熱心で、生まれてくる子どもたちがどう日本を作っていくかに関心がなかったんじゃないか。日本人は自分のことしか考えないと評価した。証券会社は外国人投資家に日本株を買ってくださいと外国各地に行きます。目先の自分のエゴしか見えない国民の株を買うかと言われます。これが日本の株が上がらない真の理由だと聞きました。
選挙というのは大きな考えで行動しないとならない。個人的なものだとしっぺ返しが来る。サブプライムローンで外国も株価が下がっているが、日本も下がってくる。外国と関連しているということを忘れてはいけない。常に時代の中で判断しなければならない。

明治維新のときに鉄舟が西郷隆盛と話しをつけ、無血開城ができたのはどういう意味か。幕末に慶喜が上野・寛永寺に蟄居したのは普通のことですか?例外的事件が発生したわけです。例外的事件ということは異常事態で、その対応をしなければならない。今まで通りの日常生活をしたい、江戸幕府の時代に戻したいと思っていたら、明治維新はなく今の日本はなかった。非日常のとき異常な判断力が必要になる。その異常が後からみると正常な判断である。幕府を残していたら日本は民主化された国になっていなかった。
みんなの意見でやってしまった結果、外国人は株を買わなくなった。明治維新のとき、異常な状態の中で異常だと思われることを正常だと思われるような判断をする人が少数居た。鉄舟もこの中の一人でした。結果、無血開城となった。レトリックな話ですが、異常事態の中では異常なことが正常になる。

投稿者 staff : 2007年12月16日 11:27

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