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2005年05月11日

鉄舟研究 「徳川宗家18代当主に聞く」

山本さんの発表
3.1 
1)新渡戸稲造の略伝を受けて
新渡戸稲造の父親十郎は、お留守居役ということであったが、その役目は重要な役で、今で言うところのNYの国連大使のようなもので一番最先端の仕事をしていた職務。
新渡戸稲造のモットー「最も身近にある義務を果たせ」ということだが、日経に載っていた松井選手の言葉を思い出した。彼のも「常に戦っているのは自分である」すなわち一番身近な存在は自分であり、その自分と戦っていると言っていた。
2)中国での反日デモのことを聞かれるが、上智大学の猪口邦子教授は以下のようにコメントされている。「歴史的認識だけでなく、日本が国際連合やODA等に幾らお金をだして支援をしているのか世界全体としてランキングを提示したら、日本の位置付けが分かる。日本がダントツである。」反日だけに関心を持たないほうがいいのではないか。
3)4月23日に静岡の山岡鉄舟会の総会が開催されるので参加する。そして牧の原台地、お茶の開墾の場所や鉄舟と西郷の会見した場所をみてくる。それは月刊ベルダに山岡鉄舟の連載を開始するので、その雑誌は官庁や記者など、プロの人たちが読んでいるので、原点に戻って、書いてみたいと考えている。編集長からは、山岡鉄舟の目を通して、明治維新を語って欲しいと言われている。佐倉にある、国立歴史民族博物館は、歴史に関して日本では一番の権威のある所ですが、ここの館長の宮地正人氏は、新しい視点の新撰組の本を出している。私も、「山本鉄舟」を作り上げたいと思っているところである。

3.2 レジメより
1)乃木大将の統率力
4月3日の跡見学園の観桜会において、山崎学長が乃木大将の新聞のコピーを配布して、お話をした。学長は、乃木大将と一緒に殉死した奥様について、跡見花蹊が日記に残したことをご紹介された。
私が思う乃木大将は、死んでも死んでも命令のついていく兵隊を動かせるほどの人物にどうしてなったかということに関心をもった。
乃木大将は、死ぬ覚悟もある人を動かすことができる「統率力の人」である。しかし、鉄舟は、統率力ではなく、「行動力の人」である。これはどういう人かというと、指示を受けたことをやり遂げる忠誠心が強い人ということである。その忠誠心とは、国家とか大きいなものへの忠誠心である。
2)江戸風景から江戸時代を推察
地図は山崎闇斎によるもの。図の解説。手前は魚河岸、川に船が沢山描かれている。その船を漕ぐ櫓は8丁、4丁、2丁とあるが、8丁は8人で漕ぐが、今の新幹線のように早い船。これで魚を届けた。橋の上には、車がない。道は人の通るもの。
天秤棒を担ぐ人。彼らは、半分は売る者、半分は買う者。廃品回収業をしていた。当時は日本全体が環境都市であった。
ペリーがやってきたときも、想定問答集があり、「3000万人の人口を養えているのだから、外国が入ってこなくてもやっていける。但し外国の船が食糧、薪などを欲しいときには差し上げる」というと想定していた。神奈川条約は、これで済んでいる。
将軍とは武力でもって国を治める。しかし武で抑えられなかったので、将軍の権威は落ちることになった。
100万人都市の江戸。世界最大の都市であった。そこを南町と北町奉行所の2つ、290人で、警察、消防、土木の仕事をしていた。それには、町名主をおいて人々の動静をつかみ、目安箱を設置した。ここには「政策提案」「不正」「何もしない役人」の件を入れられるようにしていた。その鍵は将軍だけが開けるこ
とができ、今も徳川家の宝物として残っている。
イザベル・バードの書いた本によると、1840年九州の女性3人が5ヶ月かけて旅行をしているが、女性が安心して旅行できような治安の良いところは日本しかないと書き残している。
これらは、我々が知らされている江戸時代の情報とは、違うのではないか。それは、明治政府が江戸を抹殺したためである。
3)会津藩の武士教育
寛政11年(1799年)「日新館」を作る。在校生常時1000名を超えた。

心得
1.年長者の言うことをきかねばなりませぬ。
2.年長者にはお辞儀をしなければなりませる。
3.虚言(うそ)を言ってはなりませぬ。
4.卑怯な振舞をしてはなりませぬ。
5.弱いものをいじめてはなりませぬ。
6.戸外(そと)で物を食べてはなりませぬ。
7.戸外(そと)で婦人(おんな)と言葉を交わしてはなりませぬ。
8.ならぬことは、ならぬものです。
会津武士の心の中に、8の「ならぬものはならぬ」が叩き込まれた信条となった。

家格によって基準に達しないと藩の役職には就けなかった。
500万石以上 長男は1等。300万石以上500石未満 長男は2等 次男以下3等
来月からは、また鉄舟研究をお話いたします。

●事務局の感想
今月は、徳川宗家18代が中心の発表でしたが、来月からはまた鉄舟の研究をさらに深めた内容で展開されることになりました。毎月楽しく鉄舟に関連する話を発表いただいていますが、さらに研究を追求し、いかに山本鉄舟になるのか、発表が待たれます。
5月もご参加お待ちしています。

投稿者 Master : 2005年05月11日 00:05

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