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2005年03月29日

「現代に生きる武士道」―新渡戸稲造・山岡鉄舟・恩田木工―

2月例会記録
1.二見さんの発表(2月その1)
来年で創刊満20年になるのを区切りに、春風で追い求めてきた、「日本の心」を偉人の逸話や伝記を基に、整理し紹介していきたいと願っていた。このところ、武士道の話題も続いている。
今春から一年かけて偉人群像をお手本にして、「現代に生きる武士道」として連載することを決意した。
一 恩師の紹介
私が、「日本の心」を多少でも学び得たのは、大勢の故恩師のお陰である。春風も恩師に恩返ししたいという思いで始めた。               
●富木 謙治(とみき けんじ)
 秋田県角館生まれ。競技合気道創始者で弟子の大庭英雄と共に競技合気道を普及せられた。
●品川 義介(しながわ ぎすけ)
萩の生まれ。都会で手に負えなくなった感化院の不良少年を北海道の原野で更生された。その名を北海道家庭学校という。品川先生は、吉田松陰の孫弟子に当たる。
注)その月刊「野人の叫び」誌は、私の青年期におけるこころのバイブルであった。
●朝比奈宗源(あさひな そうげん)
円覚寺で坐禅だけでなく平和実現に世界連邦の話も伺った。日本国を蒙古来襲から護った北条時宗がいたことや昭和天皇の話も伺った。
●逸木定親(いつき さだちか)
九州八幡に居られ、剣道九段で、人間道場を主宰されていた。今親鸞といわれ北九州界隈で尊敬を受けていた。

二 私の尊敬する偉人群像
山岡鉄舟、恩田木工、渋沢栄一、双葉山、二宮尊徳、山田方谷、西田天香、西郷隆盛
今村 均、吉田松陰、良 寛、伊庭貞剛
注 日本の心 魂をもった先人達で、「春風」誌 創刊以来十七年かけて、その人物を伝記形式で紹介してきた。特に線を引いた人物を尊敬。
 
▼「現代に生きる武士道は?」と問われたら、
私は 躊躇なくThe Soul of Earth と答える。意訳すると、地球武士道となる。
人間の本分は、徳を積むことを柱にして、国や地域への社会貢献と地球環境保全の三位一体を実践することに尽きるのではなかろうか。

■現代に生きる武士道 2 
第一章 武士道の流れ
「武士道」の語が、使われ始めたのは、およそ戦国時代後半ないし、末期頃である。
武士道の解釈は、時代により変遷してきた。中世から幕末までの流れを「戦場の精神史」(著 佐伯真一NHKブックス)を参照にして、紹介致します。

1.中世、戦国時代の兵の道
1)武士道という倫理の前に、謀略をしかけあい、敵を倒そうとした神話から戦国までの武士の姿がある。だましあいを肯定する。戦場で生き残ることを根本においていた。
2) 武士としての生き方を、極めるべき「道」として考えた例が最初に登場したのは、室町時代の「義貞軍記」である。
この時代の「武士道」は、武士らしい勇ましい行動を示す言葉であり、まだ倫理理念までは昇華していない。甲陽軍艦にその例がある。
3)勝利へのあくなき執念をもって兵法の道とすることを説いた「五輪書」は、戦国武士の後継をなしている。
2江戸 太平の世の武士道
1)武士たらんものは、一年中常に死を覚悟して過ごせと「武道初心集」には述べられている。同様なことは、「葉隠」にも述べられている。
2)しかし、「葉隠」は、敵を討ち取るよりも主の為に死にたることが良いとまでになった。これが、日本陸軍の悪しき無謀な特攻につながっていく。
3)山鹿素行による、「士」の役割は、戦うのではなく、忠、信、義といった儒教的徳目を守ることとされるようになった。即ち「武士道」ではなく、「士道」として説いている。
4)吉田松陰は、儒教に由来する士道と併せて甲陽軍艦の教える武道鍛練の影響を受けて、尊王攘夷を説いた。

5)以上の変遷を経て、明治になって武士道が倫理道徳の意味合いを帯びて登場してきた。  
事例を4つ。
第一 山岡鉄舟  1887 明治二十年  武士道講話口述 1902 明治三十五年出版 
第二 福沢諭吉 1891 明治二十四年脱稿 明治二十七年奥羽日々新聞に掲載 「痩せ我慢の説」
第三  雑誌「武士道」(1898 明治三十一年 大日本武術講習会 月刊で四号まで発行された。
第四 新渡戸稲造 1899 明治三十二年 アメリカで刊行 書名「The Soul of Japan 」(和訳 武士道)。翌年日本でも英語版が刊行。

6)安岡正篤の説く 武士道
大正13年 若干27歳 「武士道哲学新論」を講じた。
士の意義  書経において  裁判官
周代では  四民の上にたって大夫の下に属する者。 全ての有官者 禄を受ける者 
春秋左子伝では、戦場において兵隊を率いる者
さらに 義理を行う者 道徳的行為の主体者

投稿者 Master : 2005年03月29日 14:56

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