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2012年11月17日

2012年11月開催結果

2012年11月開催結果についてご案内申し上げます。
    
11月は多彩なご発表が続きました。
① 北村豊洋氏
漢字ついての考察を「漢字起源」「日本における書の流れ・特質」「近代日本の漢字政策」に分類され、分かりやすい内容にまとめていただきました。日ごろ何気なく書き読みしている漢字を、改めて考えさせられた貴重な機会でした。

② 末松正二氏
世にいう「征韓論」、当時の韓国は「李氏朝鮮」「朝鮮李王朝」でありましたから、本来ならば「李氏朝鮮へ西郷大将を全権大使として派遣する問題」というべきものとの疑問を9月例会で問いました。

その疑問ついて末松氏が「神功皇后の三韓征伐」「幕末の国学思想」「尊王攘夷思想」との関連、それと西郷の「大アジア主義」から「満州事変の石原莞爾」にまで検討され、「征韓論」と称される根拠を整理していだき、成程と認識いたしました。

③ 木下雄次郎氏
勝海舟書の掛け軸と東郷平八郎書、それと海舟の書コピー二軸をご持参いただき、それぞれ想像心をかきたてられる説きおこしに加え、時代背景をとりいれた指摘を的確にされ、さすがに偉人の書は違う、格式と奥行きがあるものだと、認識を新たにいたしました。

中でも、東郷平八郎書は明治天皇御製を「座右の銘として深く尊び」明治38年日露開戦バルチック艦隊撃破後に書したものと推察され、木下氏が日ごろから心懸けられている「心の位取り」が見事に顕れている書である、との指摘に唸りました。

「雲の上に立ち、さかえたる山松の、たかきにならへ、人のこころも」

木下氏の掛け軸への姿勢、それはこの書は「我々に何を伝えようとしているのか」という問いから発し、その背景を推考し、当時の歴史事実を追及する「掛軸とのコミュニケーションストーリー」に基づき展開されますが、9月に続いて再び感服させられました。

なお、新たな企画として、来年はご所有の「西南戦争絵巻」「日清戦争絵巻2巻」「憲法発布図の錦絵」について順次解説と背景についてご検討いただきたく考えておりますので、皆様ご期待願います。

④ 山本紀久雄
引き続いて検討している「明治天皇と鉄舟について」以下の項目で解説いたしました。

 ●明治天皇すり替え説
 ●西郷辞任から明治十年当時の日本の状況
 ●明治天皇が引きこもり・ ウツ状態となり

そこからどのように脱皮したかの三説、「ドナルド・キーン氏見解」「伊藤之雄氏見解」「飛鳥井雅道氏見解」を述べ、これ等とは異なる「鉄舟の影響を受けて脱皮」という山本紀久雄の見解を展開いたしました。

司馬遼太郎等の識者がいう「鉄舟の明治天皇への影響」についての背景と要因については、ほぼ解明できたと考えており、今後はその深みと明治天皇を支えた精神的支柱としての西郷、鉄舟、乃木希典という系譜について考察して参ります。

投稿者 Master : 2012年11月17日 18:02

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